断熱二重煙突を使う本当の理由


薪ストーブを焚くにあたっての煙突の大誤解

室内煙突は、シングルの経路を長くすれば部屋はその分暖かくなる。

これは正解です。

しかしです・・その分、月に数回も頻繁に行わなければならない煙突掃除の地獄絵図にあなたは耐えられますか?

特に農家さんたちを中心にこの都市(田舎)伝説?が広まっているのですが・・

薪ストーブを使うにあたって確かにシングル煙突は中を通る煙の熱を放熱してくれるので、熱の有効利用な感じはします。

しかし!

シングル煙突が放熱する

煙突の中を通るケムリ(気体)は温度が下がる

ケムリ(気体)の温度は149度以下になると一部が液体に変化する

その液体が煙突内部にタールとして付着する

ケムリの温度が下がると薪ストーブを焚くにあたってもっとも重要な力であるドラフト(ケムリを上昇させる力)が減少します。ケムリは熱を持っているからこそ上昇します。これは相対的に暖かい空気が上昇するのと同じことです。しかし途中のシングル煙突で放熱したケムリは温度が下がって自ら上昇する力を減らしてしまいます。

付着した液体ケムリはタールとなって、煙突内部にたまります。そのタールがどんどん堆積していって最悪煙突を塞いでしまうということも。そして煙突内部に付着物の抵抗がかかるのでさらに煙は抜けにくくなります。

その結果、長い経路のシングル煙突は、すぐに煙突が煤で詰まりますから頻繁な煙突掃除を強いられます。
極寒の時期に煙突掃除するなんて考えただけで恐ろしくなりますよね。

知ってますか?
タールでぎっしりのシングル煙突はもはや専用のブラシでは掃除できないことを・・・

これは異常に長い室内シングル煙突を使っている方のなれの果ての姿です。

向こう側がみえないタールが詰まりすぎたシングル煙突

斜めから見ると、その凄さがおわかりになるでしょう。どうやってこんなタールを除去するのか?

ブラシ掃除ができない詰まったシングルは、

こうやって煙突を立てて

完全に外して、安全な野外で火を付けて燃やす

これしか掃除方法がありません。

しかし燃やすと、とてつもない黒煙で近所迷惑もいいとこです。

シングル煙突オンリーでこんなことになる現実

分かって頂けましたか?

同じ条件の断熱二重煙突だとこうはなりにくいものです。

ですから、

「煙の温度を下げないように」

煙突に断熱加工したのが断熱二重煙突というわけです。煙の温度下降を最小限にとどめてくれるので、温度の高いままの煙はスッと大気中にサヨナラしてくれます。

そして「煙突内もあまり煤がたまらない」という当たり前だけど凄い仕掛けです。

でもこの当たり前のことを誰も教えてくれないので、ホームセンターでは普通にあのシングル煙突が売っていて、

それを使って自分で安く薪ストーブを焚こう

という人が現れるのです。

いかがでしょうか?

煙突がどれだけ重要かを分かって頂けたらあの断熱二重煙突のお値段にもビックリしなくなるはずです。そして当たり前のようにトラブルなく、ずーっと安心して使っていられることが、どれだけ重要なことかを知って頂きたいのです。

製品の値段にはかならず意味があるのです。

「安物買いの銭失い」

とは煙突のためにある格言です。

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