高桑信一 著
タープの張り方・火の熾し方・・・
タイトルだけでディープな沢屋の焚き火本だと分かる。最初のページをめくれば、
森深く源流のきわでオンボロタープの下、焚き火のそばで眠っている写真に以下の言葉
「渓と森に深く同化する」
もう、このページだけで若き頃、青森の白神山地のブナ林を流れる渓を徘徊していた私には、この本を購入する動機付けができたわけではい、2400円もするこの本をすぐに買ってしまったわけです。
この著書のサブタイトルは
「私の道具と野外生活術」
となっていますが、私的には
「私の沢人生・商業主義からの離脱」
ちがうかな、
「私の沢人生・いかにして私は悦楽的ドロップアウトに至ったか」
な感じではないかと思われる痛快な内容なのです。
だいたいにして渓を辿る沢屋は、今の日本のシステムはクソ食らえで商業的なものには目もくれず、独自の生活を営むのが常。(もしくはシステムの中で悶々としているか・・・)
すでに世界のことが少しだけ分かりかけてきて、冒険を読書の中に求めつつある貴方には、まさに最適の書と言えましょう。若いときは体で冒険し、家族が出来ると脳で冒険するのがオトコというもの。せめて家のリビングで薪ストーブを焚いて、こんな良書を読みふけるとしましょうか。